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自家消費時の事業区分はどれになる?消費税や所得税の取り扱い

お店の商品などを自家消費した場合、どの事業区分になるかご存知ですか? この記事では、自家消費時の事業区分や消費税・所得税の取り扱いについて解説していきます。

そもそも、自家消費とは?

自家消費についてご存知でしょうか? 自家消費とは家事消費とも呼ばれ、自分の店で売っている商品を自宅で使用したり、自分の畑で作った農作物やお米を自宅で食べたりすることを指します。

自家消費の例

それでは、具体的な自家消費の例を見ていきましょう。

  • 焼肉屋を営んでいるが、仕入高に計上したなかから、肉・野菜・米などを家族の食事として食べている。
  • 個人事業主で小売業(電気屋)を営んでいるが、店の商品を家族にあげたり自宅で使用したりしている。
  • 魚屋を営んでいるが、売れ残ったサンマを、焼き魚にして晩ごはんで食べた。
  • 八百屋で、売れ残ったトマトやナスを、晩ごはんで食べた。

などなど、例を挙げればきりがありませんが、要するに自分のお店の商品を、自宅で消費したり家族や親戚に譲ったりした場合、自家消費として扱われます。

事業区分とは?

事業区分とは、消費税を決定する「簡易課税方式」において「みなし仕入率」を定めるために用意された区分のことを指します。

事業区分は第1種から第6種まであり、それぞれ「みなし仕入率」が異なります。「みなし仕入率」とは、各業種の仕入額に対して、あらかじめ決められた控除割合のことを指します。この控除割合は、国が大まかに算出した各業種の経費によって導き出されています。

事業区分の「みなし仕入率」一覧

  • 第1種事業/みなし仕入率:90%

卸売業(他者から購入(仕入)した商品を、その性質・形状を変更せず他の事業者へ販売する事業のこと)

  • 第2種事業/みなし仕入率:80%

小売業(他者から購入(仕入)した商品を、その性質・形状を変更せず消費者へ販売する事業のこと)

  • 第3種事業/みなし仕入率:70%

農業、林業、鉱業、建設業、製造業、漁業など

  • 第4種事業/みなし仕入率:60%

第1種~第3種事業および第5種・第6種事業のいずれにも当てはまらない事業(例:飲食店業など)

  • 第5種事業/みなし仕入率:50%

金融・保険業、運輸通信業、サービス業など(飲食店業は除く)

  • 第6種事業/みなし仕入率:40%

不動産業

「みなし仕入率」に基づいた消費税の計算方法

それでは、簡易課税方式の「みなし仕入率」に基づいた消費税の計算方法について見ていきましょう。

「みなし仕入率」に基づいた消費税は、

【売上で預かった消費税】-【売上で預かった消費税】×【みなし仕入率】

で計算することが可能です。

もう少し具体的に見てみましょう。

たとえば第2種事業の小売業を営んでいる方の場合ですと、「みなし仕入率」は80%になります。そのため、課税売上(消費税を抜いた売上)が1,000万円の場合、売上で預かった消費税額は80万円になります。この場合、

80万円-64万円(80×8)=16万円

となり、収めるべき税金は「16万円」となります。

「簡易課税方式」が適用されるのは課税売上5,000万円以下まで

「みなし仕入率」がある「簡易課税方式」を選択することができるのは、その課税期間の前々年又は、法人であれば前々事業年度の課税売上5,000万円以下までの事業者のみとなっています。

課税売上高が5,000万円以上ある場合は、一般課税(本則課税)に則って消費税額を決定する必要があります。

自家消費の事業区分

事業区分について理解できたところで、「自家消費」の事業区分が第何種に当たるかを見ていきましょう。

結論から言ってしまうと、仕入れた商品を自家消費した場合の事業区分は仕入商品を自分に小売したことになるので、「第2種事業」に該当します。

第2種事業/みなし仕入率:80%

小売業(他者から購入(仕入)した商品を、その性質・形状を変更せず消費者へ販売する事業のこと)

つまり、例え自家消費だとしてもだからといって消費税がかからないわけではありません。

事業区分が分からない場合は税理士など専門家に相談することをおすすめいたします。

「自家消費」により消費税額が変わる場合も

自家消費の事業区分は「第2種事業」に該当すると説明しました。ここで注意しなくてはいけないのが、通常の売上と自家消費で「事業区分」が変わる可能性があることです。

たとえば先程の焼肉屋の事例を取り上げてみると、通常の焼肉店としての売上は「第4種事業」となり、みなし仕入率は60%となりますが、

自家消費した分の肉や野菜は「第2種事業」のため、みなし仕入率は80%

となり、それぞれの事業区分に応じて支払うべき消費税が異なります。

このように、小売業以外の事業をされている場合、通常の売上と自家消費時の事業区分が変わることがありますので、確定申告の際には注意しましょう。

自家消費時の消費税と所得税の取り扱い

消費税の取り扱い

棚卸資産を自家消費した場合の消費税の取り扱いですが、以下の2つのうち、いずれか高い方の金額を総収入金額に算入する必要があります。

  • 仕入金額
  • 通常の販売価格の50%

なお、棚卸資産以外の資産を自家消費した場合、その資産の時価が課税売上となります。

所得税の取り扱い

棚卸資産を自家消費した場合の所得税の取り扱いも上記の消費税と同じように、以下の2つのうち、いずれか高い方の金額を総収入金額に算入する必要があります。

  • 仕入金額
  • 通常の販売価格の70%

自己消費における消費税と所得税の取り扱いについては、上記のような違いありますので、確定申告の際には注意しましょう。

「役務の提供」は自家消費に入らない

では、役務の提供の場合はどうでしょうか。「役務の提供」とは、商品ではなくサービスを、提供することを指します。

分かりやすい例をあげると、「美容師が自分の子どもの散髪を行った」場合が、「役務の提供」にあたります。

この「役務の提供」は、自家消費とは異なり、課税の対象にはなりません。ご自身の自家消費が「役務の提供」にあたるかどうか、一度確認してみると良いでしょう。

まとめ

この記事を通じて、自家消費や事業区分、さらに自家消費時の消費税や所得税の取り扱いについて、理解が深まったと思います。

まず自家消費についてですが、自分の店で売っている商品を自宅での使用や、家族や親戚に譲渡した場合、「自家消費」として扱われます。

また事業区分は、「簡易課税方式」制度の「みなし仕入率」内に設けられている事業種類の区分けです。この事業区分ごとにみなし仕入率が異なります。例えば、仕入れた商品を自家消費した場合の事業区分は第2種事業となり、みなし仕入率は80%です。

自家消費を確定申告する際は、事業区分が変わる場合がありますので注意が必要です。

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