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「自家消費」とはどういう意味?経理で気をつけるべきポイント

個人事業主の場合、自社で仕入れ・製造した商品を消費することもあるでしょう。こういった場合「自己消費」として扱う必要がありますが、この言葉が具体的にどういったケースを表すのか、よくわからないという方もいるのでは? 近年、太陽光発電でも「自己消費型太陽光発電」が注目されており、どこからどこまでを「自己消費」として扱えばよいのかわかりづらいケースもあります。そこで、個人事業主が覚えておきたい「自家消費」の意味と、経理上の取り扱いについてご紹介します。

「自家消費」とは?

「自家消費」とは、簡単に説明すると個人事業主が仕入れ・製造した商品を、家庭などで消費することを指します。別名、事業消費や家事消費とも呼ばれており、飲食業を営む方の場合、「残った食材で昼食を作って食べる」「従業員にまかないをふるまう」というケースが例として挙げられます。ほかにも、「仕入れた商品を無料で譲った」「低価格で譲渡した」「商品として仕入れたノートを事務用品として使用した」といった場合も自家消費として扱われます。
ただし、マッサージや家族の髪の毛を切るといったサービス業の場合には、やり取りされているモノが商品ではないため、自家消費としては扱われません。また、法人の場合は福利厚生費として扱われるような飲食費を除き、通常は無料での贈与は認められていないため、「自家消費」はできないものと捉えておきましょう。万が一、商品や備品などを無償で譲った場合には、横領ととられる可能性があります。

また、太陽光発電でいう「自家消費」とは、売電を目的とせず工場や施設、家庭の電力を賄うことを指します。この場合、そもそも電気を「商品」として販売していないため売上が発生せず、消費税もありません。そのため、飲食店等が行う「自家消費」とは少しニュアンスが異なります。ただし、事業所等で発電した電気の余剰分や、全量を売電する場合には消費税が発生するため、注意しましょう。

「自家消費」は「売上」として扱われる

自家消費は売上げとして扱われます

商品を「自家消費」する場合、自分が仕入れた商品を自分に売ったとみなし、「売上」として計上するのが経理上のルールです。もし自家消費分を計上し忘れてしまうと、売上計上漏れで脱税としてみなされる可能性もあります。

ただし、売上に含まれるといっても、実際には商品を販売したわけではありません。たとえば、仕入れた商品を際限なく自家消費し、それらを普通に「売上」として計上してしまうと、気づかないうちに赤字が積もってしまう可能性もあります。自家消費した商品の数や金額をきちんと把握しておくことも、重要といえるでしょう。こういった理由から、自家消費した際にはあるルールを守って計上する必要があります。

自家消費した場合にはルールを守って「売上」計上

実際に売上として計上する金額は、「定価の70%か仕入れ値のいずれか高い方」です。
たとえば、仕入れ値90円の商品で、定価130円の場合、

  • 仕入れ値90円
  • 定価130円×70%=91円

となるため、定価の70%を売上として計上します。また、仕訳する際には「自家消費」や「家事消費等」という勘定科目が使用されます。

ただし、商品でない場合には、普通に売買される金額とされています。“商品でない場合”というのは、「会社で使わなくなったパソコンを従業員や知人に譲渡する」といったケースです。このような消耗品も、10万円未満の場合自家消費の対象となるため注意が必要です。

また、自家消費は総収入金額にも含まれるため要注意。売上がないのに仕入れ代だけが必要経費に算入されると、収支のバランスが取れません。そこで、「商品を自分(自社)に対して売り上げた」とみなし、計上するのです。

注意が必要な「自家消費」事例

食品や洗剤など数えられる商品はわかりやすいですが、飲食店での「まかない」のように定価がなく、自家消費にすべきか否か判断に迷う事例もあります。

こういった場合には、「1食500円×3人×15日×70%」という風におおよその金額を計算し、材料の仕入れ金額と比較を行います。

また、商品を定価よりも安い価格で販売した場合、贈与や譲渡とは異なり、収益が発生します。こういったケースでは、定価との差額が自家消費として計上されます。しかし、「新商品の試食用に店頭で配布した」「店頭に見本として飾った」という場合、プライベートで消費したわけではありません。自家消費と同様に「収入」として計上されることとなりますが、この場合は同額が「広告宣伝費」として扱われるため収支には支障がありません。

ところが、「美容師が家族の髪の毛のケアを行った」「大工が自分の家を建てた」といったケースではどうでしょう? これらは一見するとサービス業のように見えるため自家消費には当たらないような気がしますが、シャンプー代や建設費用などの経費が発生しています。こういった場合にも、発生したコストに関しては自家消費として扱われるのです。

仮に建設業者が4,000万円相当の自宅を建てた場合、仕入れ値は原材料費や水道工事・電気工事といった外注費、人件費などの総額で計算します。仕入れ値が2,000万円だったとすると、定価の70%は2,800万円となるため、後者を売上として計上します。

消費税の取り扱いにも注意が必要

注意が必要な消費税の扱いについて

では、自家消費した場合には、消費税の取り扱いはどうなるのでしょうか? たとえば、仕入れ価格100円、定価200円の商品では、仕入れ時の消費税は8円(2018年度現在)となります。自家消費して売上計上する際には、仕入額(100円)と定価の70%(140円)のいずれか高いほうで計算しますが、消費税が掛かるのはこの価格ではありません。
実はこの場合、棚卸資産か否かによって対応が分かれます。

まず棚卸資産の場合、仕入れ価格か定価の50%のいずれか高い方が課税標準とみなされます。

たとえば先ほどの事例の場合、仕入れ価格と定価の50%は同額の100円ですので、消費税に差は出ません。一方、棚卸資産以外のケース、つまり業務用のパソコンを家庭で使用するといったパターンでは、譲渡時の価格(=時価)が課税標準として課税されます。

「自家消費」の取り扱いには要注意

「自家消費」は売上として計上されますが、実際には収益があるわけではありません。しかし、経理上の取り扱いをきちんと把握しておかないと、脱税とみなされる可能性があります。消費税の計算方法にも注意が必要ですので、個人事業主としてしっかり覚えておきましょう。また、太陽光発電の「自家消費」の場合には、消費税が発生しませんので、その点もきちんと把握しておいてくださいね。

参考サイト:

※記載内容は掲載当時のものであり、変更されている場合がございます。

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